束の間の

束の間

授かった

命と

体を

何に捧げるのか。

幾度

心の弱さに

負けただろう。 

彷徨い

落ちて

でも

落ち切れず

また彷徨う。

今度こそ、

次はないと

強く思う。

ふと

十代の頃

好きだった

宮沢賢治の詩を

思い出した。

〜〜〜〜〜

『堅い瓔珞はまっすぐに下に垂れます。
                 
実にひらめきかゞやいてその生物は堕ちて来ます。
    
まことにこれらの天人たちの 水素よりもっと透明な悲しみの叫びをいつかどこかで あなたは聞きはしませんでしたか。 
   
まっすぐに天を刺す氷の鎗の 
その叫びをあなたはきっと聞いたでせう。 
    
けれども堕ちるひとのことや 又溺れながらその苦い鹹水を 一心に呑みほさうとするひとたちの はなしを聞いても

今のあなたには たゞある愚かな人たちのあはれなはなし 或は少しめづらしいことにだけ聞くでせう。 
    
けれどもたゞさう考へたのとほんたうにその水を噛むときとはまるっきりまるっきりちがひます。 
   
それは全く熱いくらゐまで冷たく味のないくらゐまで苦く青黒さがすきとほるまでかなしいのです。 
     
そこに堕ちた人たちはみな叫びます 。わたくしがこの湖に堕ちたのだらうか 
堕ちたといふことがあるのかと。 
   
全くさうです、誰がはじめから信じませう。 
   
それでもたうたう信ずるのです。 
   
そして一さうかなしくなるのです。 
     
こんなことを今あなたに云ったのはあなたが堕ちないためにでなく堕ちるために又泳ぎ切るためにです。 
   
誰でもみんな見るのですしまたいちばん強い人たちは願ひによって堕ち次いで人人と一諸に飛騰しますから。 』

日月星ノ道 日記

風を聴き歌い 星々を纏い舞う 

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